インプラント治療の
痛みについて|
起こる原因やどれくらい
痛いのかを解説
2024/07/17
インプラント治療は外科手術をともないます。もちろん、局所麻酔をしたうえで手術をおこないますが、それでも不安や恐怖からインプラント治療に踏み出せない方もいらっしゃいます。また、術後の痛みが気になる方もいらっしゃるでしょう。今回は、インプラント治療の痛みについて、主な原因や「どのくらい痛いのか」について解説していきます。
インプラント手術による痛み
インプラント治療では、歯茎を切開して顎の骨を露出させ、そこにドリルで穴を開けてその穴に人工歯根を埋め込みます。これだけを聞くと、「痛いんじゃないの?」と心配になる方もいらっしゃるでしょう。ですが、局所麻酔をおこなうため、手術中に痛みを感じることはありません。
しかし、手術が終わり、麻酔が切れた後に縫合した傷口部分に痛みが生じることがあります。そのときの痛みの度合いは、抜歯後の痛みと同程度だと言われますが、インプラントの埋入本数が多い場合はやや強い痛みが出るケースもあるようです。
術式による痛みの違い
インプラント手術には、「フラップレスサージェリー」と呼ばれる術式があります。これは、一般的なインプラント手術のようにメスを使って歯茎を切るのではなく、歯茎に小さな穴を開け、その穴からインプラントを埋め込む術式です。歯茎を切開し、剥離し、縫合するという工程がないため、術後の痛みもほとんどないと言われています。ただし、フラップレスサージェリーはすべての症例に適用できるわけではありません。
また、インプラント手術をする前提として骨造成や骨移植をする必要がある場合は、それらの手術後にも痛みが生じます。
・骨造成の場合
骨造成とは、インプラントを埋め込むスペースを確保するために顎の骨を増やす手術のことです。サイナスリフト、ソケットリフト、GBRなどの方法がありますが、いずれもインプラント手術よりも広範囲にわたります。そのため、手術時間が長く、術後も強い痛みが出やすいと言われます。
・骨移植の場合
骨移植とは、インプラントを埋め込むスペースを確保するために、他の部位の骨を患部に移植する手術のことです。自分の骨を移植する方法と、人工骨を移植する方法があります。自分の骨を移植する場合、下顎の骨や骨盤の骨を使うことが多く、その箇所を切開する必要があります。インプラント手術の箇所よりも、骨を採取する箇所のほうが強い痛みが出やすいと言われます。
インプラント手術で麻酔は使える?
インプラント手術の際は局所麻酔をおこないますが、局所麻酔が効いていても手術中の音や会話は聞こえてきます。そのために、恐怖や不安に襲われる方は少なくありません。
そのような方に用いられるのが、静脈内鎮静法(セデーション)です。静脈内鎮静法は、静脈に点滴で安定剤を注入することで眠っているようなウトウトした状態に導く麻酔法で、インプラント手術のほか、胃カメラの検査などでも用いられています。恐怖や不安を感じることなく、「目が覚めたら手術が終わっていた」という方が大半です。
恐怖や不安は血圧の急上昇を引き起こすことがあり、インプラント手術のリスクになりかねません。インプラント手術に対する恐怖や不安が大きい方は、静脈内鎮静法に対応した歯科医院を選ぶのが良いでしょう。
インプラント手術後の痛み・腫れが続く期間
インプラントの手術後は、麻酔が切れた後に痛みが生じます。ですが、ほとんどの場合、歯科医院で処方された痛み止めや抗生物質を飲むことで痛みは収まります。痛みが続く期間には個人差がありますが、早ければ2~3日、長くても1週間ほどで収まるでしょう。また、術後に患部が腫れることもあります。腫れのピークは術後2~3日後で、それ以降は収まっていき、1週間ほどで元どおりになります。
インプラント手術後に注意すべき痛み
インプラントの手術後、痛み止めを飲んでも収まらないほどの激しい痛みがある場合や、1週間以上、痛みが続く場合は歯科医院を受診しましょう。その場合は、細菌感染を起こしている可能性があります。
インプラント手術をした歯科医院の環境や治療器具が衛生的でないために、細菌感染を引き起こすケースがあります。また、患者様が処方された抗生物質の服用を途中でやめてしまうことも、細菌感染の原因になります。いずれにしても、痛みが強い場合や痛みが引かない場合は早めに歯科医院を受診しましょう。
インプラント手術後の痛みを抑えるためにできること
インプラント手術を受けた当日は、できるだけ安静にするように努めましょう。入浴や激しい運動、飲酒は体の血流が促され、痛みが出やすくなるため、控えるようにしてください。その他、2~3日は辛い食べ物などの刺激物を避けましょう。食事はやわらかいものを食べ、噛むときは患部付近で噛まないようにします。また、口腔内を清潔に保つため歯磨きをする必要がありますが、患部はできるだけ刺激しないように磨きましょう。
その他、インプラント手術後に起こりうるリスク
インプラント手術で外科的なミスがあると、患部に麻痺やしびれが生じることがあります。万が一、術後に麻痺やしびれが生じた場合は、すぐに歯科医院を受診しましょう。
一定期間経過後はインプラント周囲炎のリスクも
インプラントの手術後、一定期間が経過した後に起こるトラブルとして多いのがインプラント周囲炎です。インプラント周囲炎とは、インプラントに起きる歯周病に似た病気のことで、口腔内が不衛生な人ほどインプラント周囲炎になりやすくなります。
毎日の歯磨きが不十分だったり、歯科医院で定期検診を受けていなかったりすると、口腔内の細菌が増えていきます。そうなると、インプラントを支えている顎の骨や歯茎が細菌感染を起こして、インプラント周囲炎を発症します。インプラント周囲炎が進行すると顎の骨が痩せていき、やがてインプラントを支えきれなくなって脱落してしまいます。
インプラント周囲炎は自覚症状が出にくい病気ですが、歯茎の出血や腫れなどに気付いたら、早めに歯科医院を受診しましょう。
インプラント手術の時間・期間は?
インプラント手術の術式は、大きく分けると、2回の手術が必要な「2回法」と1回の手術で終わる「1回法」があります。1回法のほうが患者様の負担が少なく、治療期間も短くなりますが、1回法が適用できる症例は限られています。それに対し、2回法はほとんどすべての症例に適用できます。2回法のインプラント手術の流れは以下のとおりです。
①一次手術
局所麻酔をしたうえで歯茎を切開して顎の骨を露出させ、ドリルでインプラントを埋め込む穴を開けます。その穴にインプラントを埋め込んだら、歯茎を元どおりに縫合します。インプラント1本あたり、10~20分で終わります。
②治癒期間
一次手術の後、3~6ヶ月程度の安静期間を設けることで、インプラントと顎の骨がしっかりと結合するのを待ちます。通常、下顎であれば2~3ヶ月程度、上顎であれば4~6ヶ月程度です。
③二次手術
再び歯茎を切開し、埋め込んだインプラントを露出させ、そこにアバットメント(人工歯根と人工歯との連結部分)を取り付けます。この状態で歯茎が治るまで1~6週間、待機します。歯茎が治癒したら、人工歯の型採りをおこない、人工歯ができあがったらアバットメントに装着し、インプラント治療は終了となります。
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まとめ
インプラントの手術を受けると麻酔が切れた後に痛みが生じますが、痛み止めを服用し、歯科医師の注意事項をきちんと守っていれば、日常生活に大きな支障が出るようなことはないでしょう。ただし、歯科医院の衛生管理が不十分な場合、細菌感染を起こすリスクがあります。インプラント治療を受ける歯科医院を選ぶときは、必ず衛生管理体制をチェックしましょう。